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【現代人必須】ストレスコーピングを知ってセルフケア上手になろう【臨床心理士・公認心理師監修】

【現代人必須】ストレスコーピングを知ってセルフケア上手になろう【臨床心理士・公認心理師監修】

みなさん、こんにちは!

新しい生活様式になってから、もうすぐ1年が経ちます。みなさんも、小さいものから大きいものまで、生活スタイルが変わった人が多いのではないでしょうか?

さて、新しい生活様式になったとはいえ「仕事の回線が悪くてイライラする!」「自宅にいつも家族がいる状況に疲れちゃう」など、相変わらず何かしらのストレスを感じていることでしょう。

そこで今回は、上手にセルフケアをしながらストレスと付き合うヒントになる「ストレスコーピング」についてご紹介します。

ストレスと上手に付き合えるようになると、気持ちがざわついても早くリカバリーができるようになります。そして、それは自分らしく毎日を過ごすことにもつながります。

それでは、はじめましょう!

そもそもストレスとは

 日常生活で、「あ~、めっちゃストレスだわ」と口にするほど、ストレスという言葉は身近な存在です。

みなさんの言うストレスは、「ストレッサー」と「ストレス反応」という2つの言葉で構成されています。

ストレッサーとは、ストレスの要因となる出来事のことです。

私たちは日常生活でいつも何らかのストレッサーに遭遇し、それを「ストレス反応」という心と体の変化という形で体感しているのです。

ストレッサーとストレス反応

日常生活はストレッサーが当たり前のようにあります。

例えば、「友達が家に来る」という出来事を考えてみましょう。以下の2パターンで、どのように自分は感じるかを考えてみてください。

①前もって約束している場合

②なんの前触れもなく突然来訪される場合

いかがでしょうか?

おそらく後者のほうが「え~それはやめてよ」「断って嫌な顔されたらどうしよう」といった気持ちになりやすいのではないでしょうか。

このように、ストレッサーは「自分でコントロールができない」という思いが強いものほど意識しやすいといわれています。

また、例のようにわかりやすいものもありますが、気象の変化など、私たちがあまり意識しないような物事もストレッサーになっています。

このようなストレッサーに対して、人はなんらかの反応(ストレス反応)をしています。

体の場合、「おなかが痛くなる」「頭が痛くなる」「力が入って肩がこる」などが起こります。

心の場合は、「無性にイライラする」「ぼんやりして家事や仕事に手がつかない」「座っていられないほど落ち着かない」などがあります。

更に、ストレス反応は「ストレッサーを自分がどのように捉えているか」によっても、その反応の内容や程度が変わります。

ストレスコーピングとは

さて、いよいよ本題です。

私たちは、ただ「ストレスだわ~」と言って終わることはあまりないのではないでしょうか?

大なり小なり、人はストレッサーやストレス反応に対して、自分を守ったり励ますための対処や工夫をしています。

これを総称して「ストレスコーピング」といいます。

ストレスコーピングの効果

ストレスコーピングによって、私たちは日常生活を過ごせているといっても過言ではありません。

例えば、先ほどの友達が突然来訪してきた場合。

「突然来訪されると困るから、別の日にしてもらえる?」と伝える人もいれば、一時的に対応した後に気持ちを愚痴として誰かに聞いてもらう人もいることでしょう。

これらはすべてストレスコーピングです。

このように、ストレスコーピングを通して、私たちは日常生活のやりくりをしているのです。

ストレスコーピングのレパートリー増やし、場合によって使い分けることで、「自分なりに物事に対処ができるんだ」といった具合に、安心感や自信に繋がります。特に「いつ、どんな時に、どんな気持ちになって、どのストレスコーピングをして、どうなったか」を日記などに記録すると、目に見える形で自分ができたことが残るので、更に効果的です。

この記録が積み重なっていくと、「自分の取扱説明書」としてストックができます。これが溜まってくると、自分がどんなことにイライラしやすいか等のパターンが掴めるようになり、「自分がどんな人間なのか」がわかってきます。このように、自己理解が深まることで、人間関係といったストレッサーを感じやすい状況を乗り切る方法が見えてきます。

また、ストレスコーピングを通して他者とのつながりを感じると、「私はひとりじゃないんだ」という気持ちになりやすくなります。孤独や寂しさを和らげることにもなるのです。

ストレスコーピングの種類

問題焦点型コーピング

 問題を解決することで、ストレッサーそのものを無くす方法です。

 ・問題を小分けにして、できることや必要なこと を整理する

 ・物事の優先順位をつけて、順番に片付ける

などがこれにあたります。

情動焦点型コーピング

 ストレッサーの解決如何に関わらず、それによって生じたネガティブな気持ちの低減をするための対処法です。

①情動処理型

 自分の気持ちを表現したり、人から共感してもらうことで気持ちを整理したり発散をする方法です。

 ・友達や家族に愚痴を聞いてもらう

 ・紙に自分の気持ちを書く

 ・SNSに思ったことを投稿する

などがこれにあたります。

②認知的再評価型

 新しい見方を取り入れるなどして、ストレッサーへの捉え方を変える方法です。

 「これは話のネタになる」

 「きっと将来こんなことに役立つ経験をしている最中なんだ」

など、プラスに捉えることで、自分がストレッサーのある状況と付き合いやすくします。

これは「認知行動療法」として実際に医療などに取り入れられています。

③気晴らし型

 一時的にストレッサーから離れることで、リフレッシュをする方法です。自分にとって心地の良い体験をすることで、イライラや不安の低減だけでなく、狭まっていた視野が広がって新しいアイデアが浮かぶといったことにもつながりやすくなります。

 ・スポーツやストレッチをする

 ・好きな香りをかぐ

 ・好きな食べ物をゆっくり食べる

 ・落ち着く場所へ行く

などがこれにあたります。

社会的支援探索型コーピング

 自分を助けてくれる人やサービスとつながる方法です。前述した2種類のコーピングの要素を含んでいます。

①問題焦点型コーピング

 ・上司や同僚に相談し、アドバイスをもらう

 ・家事代行サービスなどを利用する

などがこれにあたります。

②情動焦点型コーピング

 ・友達や家族に愚痴を聞いてもらう

 ・カウンセラーなどの専門家に話を聞いてもらう

などがこれにあたります。

また、自分を助けてくれる人やサービスとつながることが重要なので、「ストレッサーになっている人やサービスから離れる」という行動も含まれます。

【具体例2つ】ストレスコーピングを職場に取り入れる場合

①大事な会議がある時

・安心して準備を進めるために、上司や同僚にサポートしてほしいと伝え助けてもらえる環境を作る。

・緊張しながらも会議を乗り切るために、会議前・会議中のコーピングを2つずつ考えてイメージトレーニングをする。

「会議前にストレッチをすると、ちょっと気が楽になるな」

「頭が真っ白になったら、資料のココを見よう」

②上司に叱られた時

・一度トイレに行って、深呼吸する。(ストレッサーから一度距離を置くコーピング)

・叱られた内容を話せる人に伝え、改善ポイントの整理を手伝ってもらったり、励ましてもらう。

【具体例2つ】ストレスコーピングを育児に取り入れる場合

①自分の時間がなくて辛い

・家族や友達に協力をお願いする。難しければ、一時預かりや家事代行サービスなどの利用を検討し、育児負担の軽減を目指す。

・おやつ1口を5分ほどかけながら食べ、味や触感の変化を感じることに集中する。

②子どもが赤点をとって帰ってきた

・感情的になってもいいことはないので、怒る前に6秒間深呼吸をする。(怒りの感情は6秒間待てば大体収まる性質があります)

・赤点をとった理由、今後の対策を子どもやほかの家族と一緒に話し合う。学校の先生やスクールカウンセラーに相談する。

ストレスコーピングの注意点・やらないほうがいいこと

気をつけたほうがいい3つのコーピング

①食べ物や市販薬など、体に直接影響を与えるもの

 自分に合った適切な量を楽しむ分には問題ありませんが、度が過ぎると体調の悪化に直結します。

 特にお酒類や市販薬は、効果が体にでるために利用されやすいですが、逆を言えば量を取りすぎると体調面のリスクが急上昇します。

 用法容量を守り、定期的な健康診断を受けながら、自分にちょうどいい付き合いをしましょう。

②自分に結び付ける考え方

 「これが起きたのは私のせいだ」

 「私が全部悪いから、私がどうにかすればいい」

という考えになっていませんか?

 これは自責型ともいわれており、本当は自分に非がないことも自分に原因があると結び付けてしまっていることが多いです。

 「自分が悪い」というシンプルな答えが出るため多用されやすいのですが、現実の原因に目が行かないために問題解決ができなくなったり、自分を追い詰めることで心身の状態が悪化する場合があります。

 「自分が悪いんだ」という考えになっているときは、一度ほかの人の意見も聞いてみてくださいね。

③理想を浮かべるだけでなにもしない

 「あ~あ、もっとこうだったらいいのに」

井戸端会議や女子会でありがちな発言ですね。(笑)

 愚痴として気持ちを吐き出している、という意味では立派なコーピングです。しかし、それだけですと、問題自体は解決されません。

 実際、「すっきりはしたけど、なんだかなあ」という気分で井戸端会議や女子会を後にする人も多いのではないでしょうか?

 理想を思い浮かべられる状況は、「問題を解決した状況を思い描けており、それが現実的に可能かどうか、可能でなくとも近づける方法はないかを見つけるための努力はできる」に近い状況ともいえます。

紙に書くなどして、一度考えを整理されることをお勧めします。

臨床心理士・公認心理師の資格を持っていないカウンセラーへの相談は要注意

実はカウンセラーという肩書は、資格が無くても名乗ることができます。

そのため、カウンセラーの中には大学や大学院、資格習得後の研修などで心理学や精神医学の勉強をしていない人もいます。

そのようなカウンセラーに相談すると、間違ったことを教えられてしまったり、自分の状態に合わせた適切な対応をしてもらえず状況が悪化することもあります。

このような事態を防ぐために、カウンセラーに相談する際は、臨床心理士もしくは公認心理師という資格を持っているか確かめましょう。

病院や学校、〇〇市福祉センターといった公共機関は、原則資格を持っている人しか働くことができないため、一番安全でしょう。

カウンセリングセンターといった民間企業は、カウンセラーの名前を調べると大体プロフィールがでてきます。プロフィールが見つからなかったり、臨床心理士・公認心理師の記載が無い場合は要注意です。

まとめ

みなさんがストレスと付き合うヒントは得られましたか?

ストレスコーピングに関する本はたくさんあるので、興味のある方は是非見てみてくださいね。

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